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母という仕事に終わりはない!40代で子ども服のお店をゼロから起ちあげたママの育児と仕事の話。

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、
想いのつまった"モノ"とそれを届ける""たちがいます。
このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーや
お店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
写真家の川村尚子さんは6歳になる男の子のママ。育児をしながらオリジナルの麻の子ども用パンツを開発し、2015年にネットショップ「quiraku ni(キラクニ)」を起ちあげました。「商品に込められた想い」に続き、今回は「育児と仕事」について語っていただきます。

OLからフリーカメラマン、そして母へ。

川村さんのお子さんは今おいくつですか。

今年で6歳。小学1年生です。
あとね、猫の弟・金太郎がいます。
ブリティッシュショートヘアって種類。

かわいい!しかもすっごくおとなしいですね。

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そうなの。めちゃくちゃおとなしくて。
男ばかりの家だから、ほんとは女の子がほしかったんだけど息子に聞いたら「この子がいい!」って言って。
でも金太郎が来てくれて、本当によかった!
 

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川村さんはもともとカメラマンだったんですよね?

そう。妊娠7ヶ月くらいまでは。
ちなみにカメラマンも、学校で専門的な勉強してなったわけじゃなくて、OLをやめてから目指したんです。

そうだったんですか。なぜカメラマンに?

高校を卒業したあと丸の内でOLとして働いてたんだけど「この仕事、自分じゃなくてもいいな」って気づいて。
あるとき「写真撮ってみたいな」って思っちゃったんです。

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それまで写真の経験などは?

いや、全然!
使い捨てカメラですら、さわったことがなかったです

写真のどんなところに興味を持たれたんですか?

コミュニケーションの過程にあるのが好きなんです。写真が話のきっかけになったり何かを共有するのに役立ったり。
人と自分をくっつける手段としてたまたまカメラを選んだかんじです。

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カメラマンになるために、はじめに何をしましたか?

友だちに広告専門誌を教えてもらって、片っ端から個人事務所に電話してみたんです。

全部したんですか!

はい。それでやっと事務所に入って。それからいくつかのスタジオでアシスタントを経て、独立しました。

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なるほど、一般的なカメラマンになる流れとはちょっと違ったのですね。

そうなんです。
カメラマンとしてのキャリアも少し遅いスタートですし。
じつは子どもに関しても、39歳で産んだんです。

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そうだったんですか…!

だから学びは多いと思うんです、ほかのママよりも。
何より息子が生まれて考え方がガラッと変わりました

 

45歳、今の自分がいちばん好き。

お子さんが生まれてから、どんな変化が?

息子が生まれるまでは、自分は二番手に向いてると思ってたんです。だからカメラマンのアシスタントをやっていたし、「自分の人生、自分を最優先で」とは考えていなかったような気がします
でも息子を産んで、自分の中にある「愛情のフタ」みたいなものが、カポッって開いたんです。

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愛情のフタ?

もともとドライな性格だったんです。それに加えて、30代後半になると、自分のやりたいことはだいたいやり尽くしちゃったようなかんじで。
だけど息子が生まれた途端、自分でも戸惑うくらい愛情が溢れ出てきて、びっくりしたんです!

 
そのおかげで今すごく心地よくて、無理なく、楽しく過ごせてます。わたしは45歳なんですけど、今の自分がいちばん自分らしくて好きです。
全ては息子に出会えたおかげだって思ってます。

 

自分を責めるんじゃなくて、褒める。

でもやっぱり、育児は大変なことも多いですよね。

そうですね。まず全ての物事が思うように進まなくなりますよね
たとえば、昔はふつうにスタバでコーヒー飲んで好きな本読んで勉強できたのに、そんな時間も全くなくなっちゃいました。
息子がゆっくり昼寝してくれて久しぶりにスタバに行けたときは、本当に幸せを噛みしめましたね。

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でもこんなふうに親のほうが「あたりまえの幸せ」に気付かされることが多いから、ちょっと辛いことがあっても子どもには「ありがとう」って気持ちでいなくちゃいけないんですよね。むずかしいんですけど。

辛いことがあったとき、自分を責めてしまうことはないんですか?

反省は毎日。でも落ち込まないようにしています。
子供を産んで育てて、まずはそんな毎日を送っている自分を褒めてみる。

自分を責めるのではなく、褒める。

そう。たとえばうちの旦那さんはマメなほうですけど、それでも2日くらい息子の面倒みると「終わった!つかれた〜!」ってなっちゃいます。

でもママって仕事に、終わりはないじゃないですか。
ずーーっとずーーーっと、続く。
だから、いちいち落ち込んでる暇なんてないんですよ。

子育ての悩みが続くことに悲観的になりませんか?

子どもが生まれたら一生悩みは増えていきますよね。
子どもとの間に「対人関係」が生まれるから、一緒にいたらイライラするしストレスもあるし。
成長して手が離れていくにつれ自分の時間は増えていくけど、今度は人として性格の不一致が増えるし…。

性格の不一致…?

親と子も、性格の合う・合わないがあると思うんです。合わない部分はきちんと合わないと伝えて育てていけばいいんです。
ちょっと合わないね!」って育てればいいだけです。

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たぶん、そこを無理するから、子育てが辛くなる。
「母ちゃんはこう思うけど、違う意見なんだね。」と無理に合わせず、違う考えや意見を認める。
 そこでけんかになってもいいし。でも「好きだよ!!」は伝える。

自分の素直な感情を愛情といっしょにきちんと伝えれば、ギスギスしない。

そう。子どもが思うようにいかないのはあたりまえです。
子どもたちも、生まれ持った意思があるから。
無理して「こうしてよ!」って伝えるとムッとするんだし「ごめん、合わないんだよねー」って伝えてしまえば、お互い気楽になれるんじゃないかな。

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子どもの意思や価値観を認めたうえで自分の意見を伝えるんですね。

そうそう。「ただ一緒に、おいしいごはん食べて楽しいことしようよ!」ってスタンスです。

ほかに子育てで工夫されてることはありますか。

食事のとき、子どもだからといってプラスチックの器を出すのではなく、わたしが大好きな和食器を息子にも出しています。
「割れ物だから割れたらどうしよう…。」という発想ではなく「自分の好きな器を息子にも使ってもらいたい!主人やわたしが好きなものを感じて欲しい!」という想いをこめて。

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でもそれを「好き!」とか「やだ!」って決めるのは彼の自由。そこが大事です! 反応を期待したり強要していくと、きっとしんどくなっていくから。

なるほど。子どもに対してイライラしてしまうようなこと、川村さんはありますか。

ありますあります。自分じゃコントロール不可能な感情に振り回されることもあります。散らかった洗濯物を見ていつもなら「洗濯カゴにいれてよー」くらいに思うのが、生理のときは「ぬおりゃぁっ!(怒)」ってなったり。

あぁ…。わかります…!!

でも、そこでいいママでいる必要はないと思うんです。
いい人でいる必要もなくて、自分らしくいて、それが子どもに受け入れられたらいいんです。ムカつくことがあれば「頭にくるな!」とか言っちゃえばいい。(笑)

すごく素直に伝えればいいんですね。

そう。もっと気楽になったらいいんです。ひとりの人としてつきあっていく存在が、こんな身近に生まれてきてくれたことに、とことん感謝して、素直に付き合えばいいんです。

子どもへの、感謝の気持ち。

まずは息子と出会えたことに感謝。毎日毎日とにかく忍耐力との戦いです。
人として、かなり成長するのではないでしょうか。(笑) まだまだ人として、人間性を磨きなさい!ってことですかね。
そう考えたら、何があっても気楽に受け止められる気がします。

 

育児も仕事もスタートのタイミングは関係ない。

子育てしながらお仕事するのは大変かと思いますが?

大変ではあります。でも育児しながら仕事ができるっていうのは、女だからこその強みだと思います。…これはなかなか男性にはむずかしいんじゃないかな?

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子育てで制約はでてきますけど、かわりに自分の価値観が広がったり変わったりするから、仕事は楽しくなりますよね。
悲観的に「子どものせいで何もできない!」とか思っちゃうとダメですけど、プラスのエネルギーに変えられるなら、仕事にどんどんチャレンジしたほうがいいと思います。

川村さんは、キラクニの活動のほかにも、これから新しいことをされるとおっしゃっていましたね。

そうなんです。
ぜんぜん違うことなんですけど、いろいろな障害を持った子ども達が楽しめる時間や空間をつくりたいと思っています。それをNPOなどで活動していきたくて。

会社をつくるんですか!

わたしたちの住んでる世田谷区って、いろいろな障害を持っている子ども達が活動したり発信する場所が少ないんですね。
なのでポジティブな発信をしながらそういう子たちが自立できるような場所をつくるために、会社を起ちあげる予定です!

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こういう子たちの作品って、ほんとにかわいいんですよ。
まず迷いがない。ダイナミックというか…媚びてないんです。
わたしが今日着てるTシャツも障害の子が描いた絵なんですけど、それを理由に買ったんじゃなくて「かわいい!」と思ったから買ったんです。

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だから販売するときも「障害のある子が描いた絵です!」って発信していくんじゃなくて「本当にいいものだからほしい!」と思ってもらえるように発信していきたいです。
2020年のパラリンピックにむけて、ますますアートイベントも増えてきますし、その波に乗りつつ試行錯誤しながら、発信する側になれたらなあって考えてます。

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最後に、今育児をがんばってるママさん、これから仕事や新しい活動に挑戦しようとしてるママさんへ、メッセージをおねがいします。

ママになるといろいろ拘束されてしまうことがありますけど、それも一時期のこと。
わたしなんて、40歳すぎてから商品開発とかネットショップ作成にチャレンジして、それでまた45歳で新しい会社作ろうとしてるんです。だからいつがスタートかなんて関係ない。

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たとえば、今から新しいことを始めて20年やっても65歳でしょ?そのときにはもっとやりたいこと増えるかもしれない!
だから決して、年齢とか結婚してるとか、子どもがいるからとか、そういうことであきらめないでほしいんです。

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いろんな考えの人がいるし、大人になると情報に頼りすぎちゃって前へ進めないでいる人も多いと思います。そしたらいっそ第六感に頼ってみるのもいいんじゃないかな。感覚的なもので選んじゃう。考えすぎず、気楽に、迷う前にとりあえずやってみる。わたしは少なくともそうしてます。

同じ女性としてとても励まされる言葉の数々。川村さん、今日は本当にありがとうございました。

 

 

こちらのインタビューも合わせてお読みください!

子育てしながらゼロから商品開発とネットショップ運営に挑戦した川村さん。

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そんな川村さんのお店「quiraku ni(キラクニ)」の誕生秘話や商品に込められた想いを詳しく伺っています。
ぜひ、お読みくださいね!

開発に迫るインタビューはこちら

 

今回ご紹介したショップ
quiraku ni(キラクニ)
オリジナルの子ども用パンツを展開するネットショップ。麻100%、子どもが着てラク、ママが気楽になれるアイテムを提案している。

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